技術書同人誌博覧会

補足資料:ハラスメントの種類と具体例

この補足資料は、技術書同人誌博覧会の行動規範を補うものです。 参加者が安心してイベントに参加できるようにすることが目的です。 そのために、起こりうるハラスメントの種類や、気づき方、避け方、対応のしかたをあらかじめ知っておきましょう。

カンファレンスや勉強会など、さまざまな人が集まる場では、悪意のある言動だけでなく、善意や無意識のふるまいが思いがけず相手を傷つけてしまうこともあります。 この資料では、そうしたハラスメントの種類と具体的な行動例を紹介しています。 自分のふるまいを見直すきっかけとして、ぜひご活用ください。

第1章 セクシャルハラスメント

セクシャルハラスメントとは、相手の同意がない性的な言動によって、不快感や羞恥心、威圧感などを与える行為です。性的な意図がなくても、相手が「性的な意味を感じて不快だった」と受け取れば、それはセクハラにあたる可能性があります。

たとえば、容姿や服装に関するコメントは、言った側にとっては「褒め言葉」でも、相手が不快に感じればハラスメントとなります。

具体例

  • 「スタイルいいね」「若く見えるね」など、身体的特徴や年齢に言及する
  • 「かわいいね」「すごく好み」など、容姿を賞賛する発言をする
  • 初対面での過度な距離の近さ、見た目をじろじろ見る
  • 肩や腰に触れる、手を握るなどの身体的接触
  • 性的な冗談や話題を場の空気として繰り返す
  • 飲み会の席で「彼氏(彼女)いるの?」など恋愛に関する質問を繰り返す
  • SNSやメッセージで、返信がないのに何度も個人的な連絡を送る

※たとえ好意からの言動でも、相手にとって不快であればセクハラと見なされます。 ※「かわいいね」などの言葉は、相手がその場でうまく対応できなかったり、反論しにくい雰囲気に置かれている場合、とくに配慮が求められます。

気をつけたいこと

  • 「褒めたつもり」や「親しみの表現」のつもりでも、相手の立場や関係性によっては不快に受け取られることがあります
  • 性的な話題や言動は、たとえ周囲が笑っていても、その場にいる誰かが傷ついているかもしれません
  • 飲み会や交流会など、気が緩みやすい場面こそ注意が必要です
  • 距離感や空気を読みながらも、「相手が嫌がっていないからOK」と考えず、思いやりと配慮を優先しましょう

第2章 マイクロアグレッション

マイクロアグレッションとは、悪意のない言葉や態度の中に含まれる、無意識の差別的・排他的な要素のことです。本人に悪気がなくても、繰り返されることで相手に強いストレスを与えることがあります。

具体例

  • 「外国人なのに日本語うまいですね」「見た目が〇〇人ぽくない」
  • 「女の子なのに論理的」「障がいあるのにしっかりしてるね」
  • 「〇〇って名前、変わってるね」「どこの国の人?」と繰り返す
  • 軽い冗談として容姿や話し方をからかう

気をつけたいこと

  • 「褒めたつもり」が相手にとって傷つく言葉であることもあります
  • 「本人がどう思うか」にかかわらず、言葉の背景や文脈に無意識の偏見がないか見直すことが大切です
  • 無意識の偏見に気づいたときは、学び直す姿勢を持ちましょう
  • 指摘されたときに素直に受け止めることも、信頼を築く一歩です

第3章 ジェンダーに関する配慮

本コミュニティでは、性別に関わる多様なあり方を尊重します。参加者のなかには、戸籍上の性別と異なる性自認を持つ方、また性別を特定されたくない方など、さまざまな背景や事情を持つ人がいます。誰もが自分らしくいられるよう、意識的な配慮を心がけましょう。

具体的な配慮の例

  • 名前や服装などから性別を決めつけないようにする
  • 「男らしい」「女の子らしい」などの性別に基づく評価を避ける
  • 話す相手の性別がわからないときは、「彼・彼女」などの代わりに「その方・あの方」などの表現を使う
  • 自己紹介時の呼称(例:ニックネーム、敬称など)を本人の希望に沿って尊重する
  • SNSアカウント名や名札、発言の場で使われている名前を尊重し、それ以外の名前で呼ばない

気をつけたいこと

  • 参加者に「本名ですか?」「どちらの性別ですか?」などの質問をしない
  • 性的マイノリティかどうかを詮索する発言や態度をとらない
  • 見た目と名前が一致しないと感じても、本人の自己紹介や名札に書かれた情報を尊重する
  • トイレの利用や服装などに対して、個人的な価値観を押しつけない

※配慮は、相手を特別扱いすることではなく、誰もが安心して過ごせる前提をつくることです。わからないことがあっても、無理に聞き出すのではなく、まず「尊重する」という姿勢を持ちましょう。

第4章 不快な接近・つきまとい行為(ストーキング含む)

不快な接近やつきまとい行為とは、相手が望んでいないのに、継続的に接近したり、個人的な接触を試みたりする行動です。一見すると親しげなコミュニケーションのように見えることもありますが、相手が不快に感じていればハラスメントです。

具体例

  • 相手が嫌がっているのに、会話やメッセージを繰り返す
  • 会場内で相手のあとをつけるようにして移動する
  • SNSで相手の投稿に過剰に反応し、DMなどでしつこく連絡する
  • イベント終了後にも「次はどこに行くの?」「また会える?」などと必要以上に接触する
  • 写真を撮ってから「この人の名前知ってる?」と調べようとする

気をつけたいこと

  • 特定の相手を長く拘束しないように配慮し、会話が長く続いたら自然に切り上げましょう
  • 相手がその場を離れたがっている、視線をそらす、返答が短い、表情がこわばるなどのサインを見逃さないことが大切です
  • 自分の「もっと話したい」という気持ちよりも、相手の安心と自由を優先してください
  • 親しみや好意があっても、それが一方的であればハラスメントになりえます
  • 私的な誘いを執拗に続けると、つきまといと受け取られることがあります
  • メッセージアプリで一方的に連絡したり、短時間に何度も反応を求める行為も避けてください

※長時間にわたってイベントの趣旨や場所を考慮しない個人的な会話を続けることは、相手の負担になります。 ※1対1での会話が続くときは、5分ほどをひとつの目安にして、相手の表情や様子に気を配りましょう。

第5章 モラルハラスメント

モラルハラスメントとは、言葉や態度によって相手を精神的に追い詰める行為です。からかいや陰口、無視、皮肉など冗談のつもりであっても、受け取る側が傷つく言動はモラハラに該当します。

具体例

  • 聞こえる距離で嘲笑する
  • 「あの人ってちょっと空気読めないよね」などと陰で言う
  • 特定の人だけ会話から外す、目を合わせない
  • 相手の発言に対してわざとらしくため息をつく
  • 「冗談だよ」「気にしすぎ」と言って傷つけたことをなかったことにする

※自分では気軽なつもりでも、相手にとっては不快だったり傷つく言動になる場合があります。 ※「悪気はなかった」「冗談のつもりだった」という意図があっても、相手の感じ方を重視することが大切です。

気をつけたいこと

  • 軽いノリや場の雰囲気であっても、誰かが笑われる対象になっているときは注意が必要です
  • 自分の態度や言葉が、誰かを孤立させたり、萎縮させたりしていないかを振り返りましょう
  • 言葉だけでなく、表情や沈黙、態度にもハラスメントは含まれます
  • 無視やあからさまな冷遇、ネガティブな噂の拡散など、表面的には目立たない行為も、相手に対する攻撃となる可能性があります

第6章 差別的または排他的な言動

差別的または排他的な言動とは、相手の性別、年齢、国籍、障がい、職業、宗教、性自認などの属性を理由に、侮辱したり排除したりする行為です。冗談や軽口のつもりでも、無意識の差別意識が表れることがあります。

具体例

  • 「女の子なのに理系なんだ」「男ならもっとしっかりして」などの性別による決めつけ
  • 「最近の若者は」「年寄りにはわからないでしょ」などの年齢に基づく偏見
  • 外見や話し方から出身地や国籍を決めつける
  • 宗教や信条についてのからかいや軽視
  • 障がいのある人に対して勝手にサポートしようとしたり、驚いたような態度を取る

気をつけたいこと

  • 意図がなくても、相手のアイデンティティに関する言動はとくに慎重になる必要があります
  • 「悪気はなかった」「前にも言ったけど笑ってたから大丈夫」などの思い込みで続けないようにしましょう
  • 差別的な言葉を聞いたら、その場で止める、あとで指摘する、スタッフに相談するなどの対応をしましょう
  • SNSやチャットで、特定の参加者にだけ返信し続ける、リアクションで圧をかけるなども、文脈次第では嫌がらせと受け止められます
  • 匿名のアカウントからイベント中にネガティブな投稿をすることは、雰囲気を壊し、参加者の安心感を損ないます
  • 軽く質問するつもりでも、家庭・収入・職場環境などの深い話題に立ち入らないようにしましょう

第7章 パワーハラスメント

パワーハラスメント(パワハラ)とは、立場や役割の上下関係を利用して、相手に精神的・身体的な苦痛を与える言動のことです。カンファレンスにおいては、経験の差や主催者・登壇者・スタッフと参加者との関係などが「力の差」として働く場面があります。

具体例

  • 自分の知識や経験を誇示して他人を見下すような言動
  • 「こんなことも知らないの?」「やる気あるの?」など威圧的な発言
  • ボランティアスタッフに対して横柄な態度をとる
  • 担当でないことまで一方的に押しつける
  • 質疑応答で相手の話をさえぎって否定する

気をつけたいこと

  • 相手との関係性を考え、「何を言ったか」よりも「どう伝わったか」が大切です
  • 初参加の人や年下の人、立場の違う人に対して、丁寧さと敬意を忘れないようにしましょう
  • 経験や知識を伝えるときも、相手を支配したり圧倒したりしない言い方を心がけましょう
  • スタッフやスポンサーなど、立場に関係なくハラスメントを起こす可能性がありますので、自分自身が加害者とならないよう気を配りましょう
  • 相手に対する指導・指摘のつもりでも、強い言葉や繰り返しの圧力は、受け手にとって脅威となることがあります

第8章 オンラインハラスメント

オンラインハラスメントとは、SNSやチャットツール、ブログ、動画配信などのオンライン空間で行われる嫌がらせ行為です。オフラインの場とは異なる形で、相手のプライバシーや名誉を傷つけることがあります。

具体例

  • SNSで参加者の写真を無断で投稿する
  • SNSで意味深な投稿をする、誹謗中傷を書き込む
  • チャットやコメントで相手をからかったり、非難したりする
  • DMを何度も送りつけたり、個人的な関係を求めたりする
  • 他の参加者を無視する、無反応で孤立させる
  • 相手の発言を過度に訂正したり遮ったりする
  • 画面共有やマイクを意図的に乱用する
  • アバターやアイコンを不適切な画像にする

気をつけたいこと

  • オンライン上の発言も、対面と同様に人を傷つける可能性があります
  • SNSで他人の情報を扱うときは、「公開してよいか」「誰に届くか」を確認しましょう
  • アバター・アイコン・バーチャル背景などに性的・攻撃的・政治的な意味を含まないようにしましょう

第9章 写真・動画のハラスメント

写真や動画に関するハラスメントとは、相手の同意を得ずに撮影・使用・公開することで、プライバシーや安全を脅かす行為です。

具体例

  • 無断で他人を撮影する
  • 同意なく写真をSNSやブログにアップする
  • イベントで撮影した画像を無断でアイコラや合成に使う
  • 写真をあとから検索に使い、個人情報を特定しようとする
  • 録音や録画アプリを起動したまま会話に参加する
  • スタッフの許可なく会場内をライブ配信する
  • ZoomやMeetなどの動画会議ツールで、無断でスクリーン録画やキャプチャを行う

気をつけたいこと

  • 撮影・投稿の前に、相手に「写っても大丈夫ですか?」と確認しましょう
  • 断られたらそれ以上勧めないようにします
  • 相手が写っていることに気づいていなかった場合も、あとから確認を取る配慮が必要です
  • 後ろ姿だけでも本人の許可なく撮影・投稿しないように気をつけましょう
  • SNSに会場内景色をアップロードする際には、顔や秘匿情報(個人情報、Wi-Fi接続情報など)にはモザイク処理をしましょう

第10章 飲酒に関するハラスメント

飲酒するかどうかは、体質や宗教・文化的背景、健康状態、個人の信条などに関わる重要な判断です。飲まない、あるいは控えている参加者に対して、からかいや強要を行うことは、たとえ悪意がなくてもハラスメントにあたります。

具体例

  • 「なんで飲まないの?」などと理由を何度も尋ねる
  • 「ノリが悪い」「せっかくなんだから」などと言って飲ませようとする
  • 飲んでいないことを第三者に話したり、からかいの話題にする
  • 一度断った相手に繰り返し飲酒をすすめる
  • 一気飲みやアルコール摂取を強要する

気をつけたいこと

  • 飲酒を断っている人には、それ以上すすめないようにしましょう
  • 飲まないことを話題にしたり、からかったりしないようにしましょう
  • 「ノリ」や「空気」などを理由に行動を押しつけないようにしましょう
  • 自分が飲んでいるときほど、まわりへの配慮を意識しましょう
  • 飲酒を控える選択には、体質・健康・宗教・過去の経験など、多様な事情があることを理解しましょう
  • 一気飲みの強要などは、身体的な危険をともなう重大な行為であることを忘れないようにしましょう

※飲まないという選択も、個人の尊重されるべき価値観です。意図がなくても、相手に不快感や疎外感を与える可能性があります。すべての人が安心して過ごせる場を一緒に守りましょう。

第11章 暴力・威圧的なふるまい

暴力的な行動や威圧的なふるまいは、身体的・心理的な安全を損なう重大な問題です。たとえ身体的な接触がなくても、威圧的な言動や身振りで相手に恐怖や不快感を与える行為は、ハラスメントとみなされます。

具体例

  • 相手の肩や腕を強く押す、つかむ
  • 椅子や机を叩く、蹴る、物を投げる
  • 相手に詰め寄ったり、大声で怒鳴る
  • 脅すような口調・態度で発言する
  • 過剰に近づいて威圧感を与える
  • 何度も視線を送り続けたり、特定の人だけをじっと見つめる、にらむ

気をつけたいこと

  • 感情が高ぶったときは、距離を取り冷静になるように心がけましょう
  • 相手を不安にさせるような行動や言葉づかいは避けましょう
  • 声のボリュームやトーン、身体の動きにも注意を払いましょう
  • 相手の反応がこわばったり下を向いたりした場合は、威圧を感じている可能性があります
  • 身体的な接触は、強弱にかかわらずトラブルのもとになるため慎重に

※暴力的な行為は、安心して参加できる場づくりを大きく損ないます。たとえ一時的な感情でも、他の人に恐怖や不快を与えることのないよう、冷静な行動を心がけてください。

第12章 その他の迷惑行為・マナー違反

明確なハラスメントに分類されない場合でも、他の参加者に不快感や迷惑を与える言動があります。イベントの快適な環境と参加者の安心感を守るために、以下の行動にも配慮が必要です。

具体例

  • セッション中に無関係な発言をしたり、大声での会話や過度な笑い声などで進行を妨げる
  • セッション終了後の質問で、自分の話を一方的に展開してしまう(マイクを長時間占有する)
  • 掲示物や展示に落書きしたり、破損したり、勝手に私物化する
  • 配布物を必要以上に持ち帰る、他人の分を無断で取る
  • 荷物を置いて座席を長時間占有する
  • ゴミや食べこぼしを放置する、飲食禁止エリアで飲食する
  • 他の参加者を無言でじっと見つめる、何度も振り返って確認する
  • 他の参加者の会話や行動について過剰に詳しく聞き出す(誰と来たか、どこに住んでいるかなど)
  • 匿名で嫌がらせの投稿を行う、配布物やメモに悪意ある書き込みを残す(SNSで特定個人を中傷する、無記名のメモを置くなど)
  • 強い光・音・臭いなどで周囲に強い不快感を与える(レーザーポインターを人に向ける、ドリアン等の強い臭気を伴う食品を持ち込むなど)
  • イベントに関心を持たず目的外に参加する(ナンパ、営業、無料飲食などを目的にする)
  • 内輪ノリや過度な盛り上げなど、特定の参加者グループだけで過剰に騒ぐ
  • 通路や出入口に荷物を置いたり、立ち止まることで、他の参加者の通行や安全を妨げる
  • 照明や空調などのスイッチにスタッフの許可なく触れる

気をつけたいこと

  • 会場はみんなで使う場ですので、次に使う人や他の参加者のことを考えて行動しましょう
  • 「少し気になるけれど我慢しよう」という場面こそ、安心感を損なう要因になりえます
  • 目立たない行動でも、繰り返しや意図によってはハラスメントとして受け取られる可能性があります
  • 「誰がやったか分からない」行為(無記名の書き込み、盗撮など)も、被害者にとっては大きな不安となります

第13章 はじめて参加する人のための安心ガイド

この章では、カンファレンスにはじめて参加する方が安心して過ごすためのヒントを紹介します。 行動規範やハラスメントの知識をふまえ、「こんなときどうすれば?」という場面別のアドバイスをまとめました。

■ セッション後の質疑応答で

困りがちなこと

  • 質問してよいか迷う
  • 会場の雰囲気に圧倒される
  • 自分の質問が場にふさわしいか不安

行動のヒント

  • セッション中は進行を妨げないよう静かに聴講し、質疑応答の時間に質問しましょう
  • 「質問というほどではないけれど…」という内容でも、登壇者に感想として伝えるのもひとつの方法
  • 他の人が話しているときは聞き役にまわり、「ひとつだけお聞きしてもよろしいですか?」と確認してから話し始めるとスムーズ
  • もし話しかけにくい場合は、付箋などを使いそっと伝える方法もあります

■ 懇親会や休憩時間に

困りがちなこと

  • 知り合いがいなくて緊張する
  • 話しかけたいけれどきっかけがない

行動のヒント

  • 飲み物や食べ物のテーブルの近くに立つと、自然に話しかけられやすくなります
  • 「こんにちは、はじめて参加しました」とスタッフに伝えてみましょう
  • 「この料理おいしいですね」など、共通の話題から会話を始めるのが効果的です

■ 写真を撮るとき

困りがちなこと

  • 撮りたいけれど、失礼にならないか気になる
  • SNSに載せていいか迷う

行動のヒント

  • 「ご一緒に撮ってもよいですか?」と声をかければ、相手も安心します
  • SNSに投稿するときは「掲載しても大丈夫ですか?」と確認しましょう
  • 撮影を断られても、失礼ではないので気にしないで大丈夫です

■ 困ったことがあったとき

困りがちなこと

  • 話しかけられて不安だった
  • しつこい対応に困った
  • 自分が「気にしすぎかな」と思ってしまった

行動のヒント

  • 不安や違和感を覚えたら、その場から離れてかまいません
  • スタッフに「少し相談したいです」と声をかければ対応してもらえます
  • 「これくらいで言っていいのかな」と迷っても、気になったら相談してよいのです

■ はじめて参加する方へ

はじめての参加は緊張して当然です。 わからないことがあるのも自然なことです。 気になることがあれば、遠慮せずに話しかけてください。 このイベントは、あなたのようにはじめて参加される方も安心して過ごせるように運営されています。

■ 相談や報告に迷ったときは

「これってハラスメントかな?」「迷惑だったかもしれないけど、気のせいかも」と感じたときでも、ひとりで抱え込まずに相談してください。 誰かが安心できなくなっているかもしれないと感じたら、その気持ちは十分な理由になります。 報告や相談に正解や証拠が必要なわけではありません。 うまく話せなくても、「少し気になることがあって…」と伝えてもらうだけでかまいません。

困っている方や、声にしづらい方のためにも、小さな違和感からでも共有し合える空気をつくっていきましょう。

おわりに

ハラスメントは悪意のある人だけが起こす特別なものではありません。 ちょっとした言葉、何気ない態度、よかれと思った行動が、相手にとっては不快や恐怖につながってしまうことがあります。 この補足資料で紹介した事例の多くは、「自分もやってしまうかもしれない」と思えるものだったのではないでしょうか。 明確な悪意がなくても、相手にとっては負担になる場合がありますので、誰かを疑うよりも、まず自分自身のふるまいを振り返ることが大切です。

自分が直接ハラスメントをするつもりがなくても、誰かのハラスメントを見過ごしてしまったり、空気として黙認してしまうことも、安心な場づくりの妨げになります。 カンファレンスは、立場や背景のちがう人たちが一緒に学び、つながり合える貴重な機会です。 一人ひとりが「自分のふるまいが誰かを困らせていないか」「何かできることはないか」と考えることが、また来たいと思える場所をつくっていきます。

もし違和感や不安を感じたときには、ひとりで抱え込まず、信頼できるスタッフや周囲に相談してください。 また、ハラスメントを目撃したときには、当事者でなくても声を上げることができます。

安心して過ごせる場所は、みんなで守るものです。 この資料がそのはじめの一歩となり、あなたの行動が誰かの安心につながることを願っています。

ライセンス

この資料は、ariaki(ariakira[at]gmail.com)によって作成され、CC BY 4.0のもとで提供されています。 本ライセンスのもと、どなたでも本資料を自由に利用・改変・共有できます。ただし、元の著作者のクレジットを明記してください。 ※ライセンスに基づく再利用の際には、文書の一部または全文を含む旨を明記してください。 ※迷惑メール対策のため「@」を「[at]」に置き換えています。送信時はご注意ください。

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