新刊
同人誌・40ページ・10部頒布・紙・1,000円 クラフトビールは流行していると言われるけれども、実際には統計データが無く、その実態はよく分かっていません。にもかかわらず、人気で素晴らしいという言説が広まっています。実際に美味しいものは存在するので、こうしたエモい言説ではなく、「なぜ美味しいか」を語るべきではないかと私は考え、筆を執りました。
私は酒屋で物書きなのでクラフトビール製造における技術を語る立場にありません。しかし、「技術を語ること」について語ることは出来ると思います。それは「なぜ美味しいか」、つまり技術に支えられた液体の創造(テクネー)を語ることで、そうした語りが技術及び消費の普及に寄与するはずだからです。
技術という言葉の意味から始め、そこに含まれる身体知、経験知などについて論じます。また、補論として技術の向上における消費者とのコミュニケーションをサイバネティクス的な「再帰的なコミュニケーションのループ構造」と捉えて別の角度からも論じます。
本論は角川書店から刊行された拙著「クラフトビール入門 飲みながら考えるビール業界と社会」の発展的内容と位置付けております。よろしければそちらもご拝読賜りますようお願い申し上げます。