新刊
同人誌・80ページ・紙/電子・1,000円macOSには「Spotlight検索」という機能が標準で搭載されており、ファイルの検索やアプリの起動をキーボードから操作できます。
これは便利なのですが、より高度な処理を実現するアプリとして、RaycastやAlfredがあります。
いずれもSpotlight検索より高度な処理ができ、一般的にはランチャーアプリに分類されます。
本書では、このRaycastについて解説します。
Raycastの大きな特徴として、豊富なExtension(拡張機能)があります。
公式のExtensionとして標準で導入されているものだけでなく、世界中の開発者が自由に開発し、無償で公開しています。
これらを導入することで、Raycastでできることを大きく増やせます。
そして、TypeScript(JavaScript)についての知識が少しあれば、個人でも開発できます。
開発したものを公開する必要はなく、手元の環境で実行するためだけに開発するのも自由です。
ただ、単にTypeScriptの知識があるだけでは、開発しようとしてドキュメントを読むと手が止まります。
その理由として、Raycast Extensionの開発にはReactが使われていることが挙げられます。
つまり、Reactについての知識がないと、どのように開発すればいいか、どのようにデータを保持すればいいのかわからないのです。
なお、Reactについて学ぶとき、Webアプリを作る方法もあります。
しかし、RaycastのExtensionを作りたいだけなのに、Webアプリを作るのは違和感があります。
Raycastはキーボードから操作することが前提であり、ある程度決められた環境で実行されるため、Webアプリと比べて考えることは少ないものです。
そこで本書では、Raycastの特徴を紹介するとともに、そのExtensionを開発することを通して、Reactを学ぶことを目的にしています。
すでにReactについて知識がある方は、RaycastのExtensionを開発するアイデアの参考として読んでいただければ幸いです。