本書『めもおきば TechReport 2026.04』は、サーバーレスを中心としたクラウド技術の現在地と、その先に広がる実行モデルや開発スタイルの変化を、複数の視点から横断的に捉えた技術評論集です。
第1章では、「関数はステートレスである」というサーバーレスの前提に対する違和感から出発し、Durable Functions に代表される「状態を持つ実行モデル」への進化を整理します。単なる機能紹介ではなく、FaaS・ワークフロー・エンティティ・エージェントといった層構造として再定義することで、これからの設計の地図を提示します。
第2章では、著者が関わる人材育成プログラム SecHack365 を題材に、技術を学ぶ場の設計やコミュニティの価値を紹介します。単なる制度解説にとどまらず、「作る・見せる・フィードバックする」というサイクルを通じた成長のあり方に踏み込みます。
第3章は一転してフィールドワークとして、台湾・新竹サイエンスパークを取り上げます。研究都市・産業集積・高速交通が一体となった構造を現地の視点から描写し、日本との比較を通じて、技術と都市の関係性を立体的に捉えます。
第4章では、2025年の振り返りを踏まえたうえで、2026年の技術トレンドを展望します。データ基盤、クラウド、AIエージェント、ローカルLLMといったテーマを横断し、「何が起きたか」ではなく「どこを見るべきか」という観点で整理しています。