新刊
同人誌・48ページ・20部頒布・紙・1,000円本書は Ian Grant MacDonald によって 1987 年に導入された Macdonald 多項式を軸に,Fock 空間と (量子) 可積分系を述べた構成になっています.
すべての主張について証明を必ずしも与えておりませんが,
一つずつ順を追えば,誰しもある一定の理解を自分なりに持てることを目指して,道筋の要点をまとめたものになっています.
特に射影極限をなるべく平易に述べたものは類書がないように思います.
2019 年,数学の Nobel 賞と言われる Abel 賞は Karen Keskulla Uhlenbeck に授与されることになりました.
彼女の研究領域の一つが無限次元の可積分系です.
これは弦理論の対称性を記述する Virasoro 代数と深い関係のある分野でもあります.
本書ではこのような関係まで取り扱っておりませんが,より高度な理論へと進む前に,
まずは Macdonald 多項式について味わってみてはいかがでしょうか.