本書を含む『プロトコル解説シリーズ』は、対話形式で気軽にプロトコルについて学ぶことを目的とした技術同人誌シリーズです。
第一弾である『くいっく』HTTP/3編ではHTTP/3の概要を解説しました。
第二弾である本書ではQUICの拡張である「RFC 9221 An Unreliable Datagram Extension to QUIC」及びHTTP/3の拡張である「RFC9297 HTTP Datagrams and the Capsule Protocol」(以後それぞれQUIC Datagram,HTTP/3 Datagramと表記)についての解説を行います。
※RFC9297に記載のあるカプセルプロトコルの解説 は本書では対象外とし、シリーズ次巻の『くいっく』 カプセル編(仮題)にて解説を行う予定です
シリーズを通し、プログラムに似た魔法が発展している異世界を舞台に軽いストーリー仕立てで解説が進行します。
楽しみながら学んで貰えると筆者としても嬉しく思います。
●QUIC,HTTP/3 Datagramって何?
QUIC,HTTP/3上で再送を行わない、信頼性の低い通信を実現する為の拡張です。
●読む上であると良い知識
概要を掴むだけであればTCP/UDPの基本がなんとなくわかっていれば大丈夫です。
QUIC,HTTP/3の基礎知識があるとより理解が深まります。
自信がない方は『くいっく』HTTP/3編でQUIC,HTTP/3についての勉強をしてから読むことをお勧めします。
※『くいっく』HTTP/3編 → https://quic.booth.pm/items/3848264
●本書で取り扱う範囲
・QUIC,HTTP/3 Datagramの概要・特徴
・QUIC Datagramの利用例
●こんな人にお勧め
・QUIC, HTTP/3の概要は理解したので拡張まで抑えておきたい人
・既存のリアルタイムプロトコルに不満がある人
●本書の対象外の内容
・QUIC,HTTP/3についての解説
・QUIC,HTTP/3 Datagramそのものの実装例
・RFC9297に記載のあるカプセルプロトコルの解説
・HTTP/3 Datagramを利用した拡張プロトコルの解説
●補足
・物語的には既刊本である 『くいっく』HTTP/3編 の後のお話です
●目次
・Chapter.1 QUIC Datagramの概要
・Chapter.2 WHY USE DATAGRAM
→ 他の主要なリアルタイムプロトコルと比較した QUIC Datagram の強みを紹介します
・Chapter.3 QUIC Datagramの仕様
・Chapter.4 HTTP/3でのQUIC Datagramの利用
・Chapter.5 使ってみよう
→ Python製のaioquicというOSSを用いたQUIC DATAGRAMの通信実装例を紹介します