け-04
IT-コンピュータサイエンス-人工知能・AI
編集プロダクションの仕事をエージェントに分担させる「AI編集部OS」を、OSSとして公開しています。researcher・writer・reviewerといったロールが、実際の記事制作で毎日動いています。 頒布するのは3冊。OSの礎になったAI協働記事制作のプロンプト解説『サイボーグジジイになりたい』。そのエージェントたちが活躍する半分ドキュメンタリーのお仕事小説『AI、ときどき、詐欺』。そして新刊のお仕事ホラー『伸びしろ』は、AIに任せれば原稿が通り、仕事が驚くほど楽になった編集部の話です。けれど、誰も帰らない。 実装としても、笑い話としても、怖い話としても、ぜんぶ同じ現場から出ています。
ジャンル:AI協働記事制作/48ページ
位置づけ:AI編集部OSの礎になった一冊(既刊)
技書博での売り:実運用中のパイプラインと CLAUDE.md の中身を、構成ごと公開している
作品概要
取材記事の制作をAIと分担するための、実装と指示書の話です。
文字起こしは、AmiVoice API(日本語)とAmazon Transcribe(英語)を並走させ、タイムコードで突き合わせてマージし、Claude(Bedrock)がクレンジングする構成。日英が交互に入る通訳付きインタビューも --lang mixed で一本化できます。話者は speakers.txt で事前定義。通訳ありの60分音源が、マージからクレンジング完了まで15分でした。
記事の質は CLAUDE.md で担保します。引用率15〜30%の管理、口語の書き言葉変換、文末表現の多様化、「今年」を禁じる絶対値表記、発言者の帰属表現、そして仕上げパス(発言照合→用語変換→要確認リスト出力)。AIが「言っていない言葉を「」付きで書く」「サンプル記事から数値を混ぜる」といった事故に、一つずつ赤を入れて積み上げたものです。
付録では、Claude Codeのカスタムコマンド /goandg /log /recap によるスケジュール管理を紹介しています。空き枠よりタスク量が多いと警告が出ます。
取材情報を外部サービスに入れないため、全工程をAWS東京リージョンのプライベート環境で完結させています。
どれも実務で効いたものだけです。この本の考え方が、のちにAI編集部OSになりました。
AI編集部OSはこちら
MITライセンス・無料で利用できます
https://github.com/h-mori-andg/ai-editorial-os
ジャンル:お仕事小説(モキュメンタリー)/B6判・約200ページ
位置づけ:既刊
技書博での売り:作中の事故が、そのままAIエージェント運用の失敗事例集になっている
作品概要
東京・神田の零細編集プロダクション。月曜の朝、100万円の消費税納付通知が出てきて、払う金がないと気づく。森はAIエージェントたちを束ねて、受注済みの10本を月末までに駆け抜けようとする。
登場するエージェントは、OSSで公開中の「AI編集部OS」のロールそのものです。researcher、writer、reviewer、transcriber——彼らが実名で働き、そして実によく失敗します。
固有名詞の誤変換、クレンジングが作り出す実在しない語、writerのハルシネーションによる引用捏造、忖度して見逃すreviewer、コンパクションで飛ぶ指示、修正を頼んだら全文再生成される先祖返り、返ってこないエージェント間メッセージ、タダだと思っていたサーバレスの課金。
Claude Codeでエージェントを回している人なら、全部見たことがあるはずです。作中の事故は、実際の制作現場で起きたものが元になっています。
新刊
同人誌・144ページ・紙・300円ジャンル:お仕事ホラー/A6判・全9話
位置づけ:技書博が初売り(2026年9月10日 初版)
技書博での売り:AI編集部OSをOSSで公開した本人が、AIに飲み込まれていく編集部を書いている
ものがたり
定時のない編集プロダクション。世界のどこかはいつも昼だから、この会社に夜はない。AIに任せれば原稿は出すそばから「通って」いき、仕事は驚くほど楽になる。けれど、誰も帰らない。
社長は、人間の新人にも「スラッシュ、リサーチ」と指示を出す。教育もエージェントに任せる。そして自分が三十年かけて身につけたものを、もう持っている自覚がない。
一度相談に乗っただけのフリー記者は、長年かけて掴んだ切り口を「型」に変えられていた。「いまじゃ、あいつらが、俺のやり方で、書く。俺より、速く、安く」
——あそこだけじゃ、ない気がするんだ。最近、よそで読む記事も、どこか、みんな、同じ顔を、してる。
誘われるままに導入し、暗黙知を吸われ、吸われたことを忘れる。そうやって、夜は、世界から消えていく。